大規模リフォームやフルリノベーションの計画が進み、いよいよ内装選びの段階になると、多くの方が壁の素材で悩みます。 「せっかく家全体を新しくするなら、ビニールクロスではなく、心地よい自然素材を使いたい」 そう考えた時、必ず候補に挙がるのが「漆喰(しっくい)」と「珪藻土(けいそうど)」です。
どちらも調湿効果や消臭効果を持つ優れた塗り壁材ですが、その成分や仕上がりの質感、そして「家との付き合い方」には明確な違いがあります。
この記事では、加古川市で数多くの一軒家再生を手掛けてきた専門家の視点から、漆喰と珪藻土の決定的な違いと、あなたの理想の住まいにはどちらが適しているのかを徹底解説します。
「石」の漆喰と「土」の珪藻土

専門的な比較に入る前に、イメージを掴んでいただくためにそれぞれの特徴をご紹介します。
【漆喰(しっくい)は「石」の壁】
◎イメージ◎
つるっとしていて硬い、白く輝く、神社仏閣やお城の壁。
◎向いている人◎モダンで洗練された空間が好き、耐久性を重視したい、掃除のしやすさを求める人。
【珪藻土(けいそうど)は「土」の壁】
◎イメージ◎
ザラザラしていて温かい、マットな質感、土壁やカフェの壁。
◎向いている人◎
素朴で温かみのある空間が好き、湿気やニオイ対策を最優先したい、光の陰影を楽しみたい人。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
原料と固まり方の決定的違い

両者の最大の違いは、「何からできているか」と「どうやって壁に張り付いているか」にあります。これが耐久性やメンテナンス性に直結します。
漆喰は「石灰石」が原料(自ら固まる)
漆喰の主原料は「消石灰(水酸化カルシウム)」です。これはサンゴ礁が長い年月をかけて変化した石灰石から作られます。 漆喰の最大の特徴は、空気中の二酸化炭素を吸収しながら、長い時間をかけてゆっくりと元の硬い石灰岩に戻っていく(自ら固まる)性質があることです。そのため、施工直後よりも10年、20年後の方が硬く丈夫になると言われています。
珪藻土は「プランクトンの化石」が原料(固まらない)
珪藻土は、海や湖の植物性プランクトン(珪藻)が死滅し、化石となって堆積した「土」です。 実は、珪藻土そのものには「固まる力」がありません。そのため、壁材として使うには、セメントや石灰、合成樹脂などの「つなぎ(凝固剤)」を混ぜて固める必要があります。この「つなぎ」に何を使っているかで、珪藻土の品質(調湿性能の良し悪し)が大きく変わるのが注意点です。
機能・デザイン・耐久性の違いを比較

家全体のリフォームを考える上で重要な5つのポイントで比較します。
1. 調湿・消臭効果(珪藻土の勝ち)
どちらも呼吸する壁ですが、湿気を吸うスピードと量は「珪藻土」が圧倒的に上です。珪藻土には目に見えない無数の穴(多孔質)が開いており、その表面積は木炭の数千倍とも言われます。 寝室の湿気対策や、ペット・タバコのニオイ対策を最優先するなら、珪藻土がおすすめです。一方、漆喰も調湿しますが、その効果は緩やかです。
2. 質感・デザイン性(テイストによる)
◎漆喰◎
表面がきめ細かく、フラット(平滑)に仕上げることができます。光を反射して部屋を明るく見せる効果があり、「和モダン」「シンプルモダン」「北欧スタイル」など、洗練された空間によく合います。
◎珪藻土◎
粒が粗く、ザラッとしたマットな質感です。コテの跡(パターン)を残した仕上げが得意で、照明を当てると美しい陰影が生まれます。「ナチュラル」「カントリー」「民芸調」など、温かみのある空間にマッチします。
3. 耐久性・メンテナンス(漆喰の勝ち)
◎漆喰◎
硬く固まるため、擦っても粉が落ちにくいのが特徴です。静電気を帯びにくいのでホコリが付きにくく、汚れてもサンドペーパーで削ったり、上から薄く塗り直したりしてメンテナンスできます。100年以上持つとも言われる耐久性は、日本の城郭建築が証明しています。
◎珪藻土◎
土壁のような柔らかさがあるため、家具をぶつけたり強く擦ったりすると、ボロボロと粉が落ちたり、削れたりすることがあります。水拭きも基本的にはNGです(シミの原因になります)。
4. 抗菌・防カビ・不燃性(漆喰の勝ち)
漆喰は「強アルカリ性」という性質を持っています。この環境下ではカビやダニ、ウイルスが生息できないため、高い抗菌・抗ウイルス効果が期待できます。 一方、珪藻土は中性です。吸湿性は高いですが、湿気を吸いすぎた状態で換気が悪いと、逆にカビの温床になるリスクがあります。 防火性に関しては、どちらも不燃材料として認定されており、火事に強い素材です。
5. カラーバリエーション(珪藻土の勝ち)
漆喰は「白」が基本です。色粉を混ぜることもできますが、淡い色合いが中心となります。 珪藻土は土そのものに色がついている場合もあり、顔料とも相性が良いため、ベージュ、グレー、イエローなど、豊富なカラーバリエーションから選ぶことができます。
漆喰と珪藻土の「場所別」おすすめの使い分け

家全体をリフォームする場合、すべての壁を同じ素材にする必要はありません。部屋の用途に合わせて使い分けるのが、プロのコーディネートです。
リビング・ダイニング・廊下は「漆喰」がおすすめ
家族が集まり、人の出入りが激しい場所には、耐久性が高く、部屋全体を明るく見せる「漆喰」が適しています。特に小さなお子様がいらっしゃる場合、手垢がつきにくく、擦っても粉が落ちにくい漆喰の方がストレスなく過ごせます。
寝室・ウォークインクローゼット・トイレは「珪藻土」がおすすめ
湿気がこもりやすい場所、または一日の疲れを癒やすプライベート空間には、高い調湿・消臭効果を持つ「珪藻土」が最適です。ザラッとした温かい質感が、落ち着いた眠りを誘います。
水回り(洗面所)は どちらかと言えば「漆喰」だが・・・
洗面所などの水回りは、調湿性を期待して珪藻土を選びがちですが、水はねによるシミやカビのリスクがあります。強アルカリ性でカビに強く、水拭き(硬く絞った雑巾)にもある程度耐えられる「漆喰」の方が、メンテナンスの面では安心です。ただし、直接水がかかる場所にはタイルなどを併用することをお勧めします。
知っておくべき「塗り壁」の注意点

自然素材には、ビニールクロスにはないデメリットもあります。これらを事前に理解しておくことが、後悔しないリフォームの鍵です。
ひび割れ(クラック)のリスク
漆喰も珪藻土も、建物の揺れや下地の動きによって「ひび割れ」が発生することがあります。これは自然素材の宿命です。 しかし、私たちのような大規模リフォーム専門の会社では、下地処理(ボードの継ぎ目の処理など)を念入りに行うことで、そのリスクを最小限に抑えます。また、多少のひび割れも「味わい」として愛せるかどうかが、採用の分かれ道となります。
珪藻土選びは「つなぎ」の成分を確認
前述の通り、珪藻土は固めるための「つなぎ」が必要です。安価な珪藻土の中には、合成樹脂(接着剤)を大量に混ぜているものがあり、これでは珪藻土の穴が塞がれ、調湿効果が失われてしまいます。「自然素材由来のつなぎを使っているか?」「調湿性能は確保されているか?」を必ず確認しましょう。
費用はビニールクロスの数倍
職人が手作業で塗り上げるため、材料費・施工費ともにビニールクロスに比べて高額になります。 しかし、ビニールクロスが10~15年で張り替え時期を迎えるのに対し、漆喰や珪藻土はメンテナンスしながら数十年使い続けることができます。大規模リフォームで「長く愛せる家」を作るという視点で見れば、決して高い投資ではありません。
まとめ

漆喰と珪藻土、どちらが優れているかという正解はありません。重要なのは、あなたが「どのような空間で過ごしたいか」そして「どの機能を優先したいか」です。
◎漆喰◎
明るく洗練された空間、耐久性・メンテナンス性・抗菌性を重視する方へ。
◎珪藻土◎
落ち着いた温もりのある空間、調湿性・消臭性を最優先する方へ。
加古川市で一軒家の大規模リフォームを手掛ける私たちeリノベでは、お客様のライフスタイルや好みのインテリアテイストを丁寧にヒアリングし、適材適所の素材選びをご提案します。
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