連日のようにニュースで流れる、一般住宅を狙った強盗や空き巣の被害。
閑静な住宅街で大切に住まわれてきた一軒家が狙われ、窓ガラスが無惨に割られた映像を見るたび、「もし我が家だったら…」と胸が締め付けられる思いをされている方も多いのではないでしょうか。中には、すでに近隣で被害があり、不安な日々を過ごされている方もいらっしゃるかもしれません。
昨今、光熱費削減や快適性のために「断熱リフォーム」が注目されていますが、家の「寒さ」の弱点である窓は、同時に「防犯」の最大の弱点でもあります。
この記事では、警視庁の最新データを基に、なぜ窓が狙われるのかを紐解きつつ、大規模リフォームのタイミングだからこそ実現できる、「泥棒に狙わせず、かつ冬暖かく夏涼しい」一石二鳥の賢いリフォーム術を解説します。
目次
一戸建て侵入被害は窓から
「うちは鍵をかけているから大丈夫」と思っていませんか？
実は、泥棒の侵入経路として圧倒的に多いのが「窓」であり、その手口は巧妙化・荒っぽくなっています。
侵入経路の約55%が「窓」からの侵入
警視庁が公開している統計データ（住まいる防犯110番）によると、一戸建て住宅における侵入窃盗の侵入経路で最も多いのが「窓」からの侵入で、全体の55.2%（令和5年）を占めています。
玄関などの出入り口（40.5%）よりも、窓ははるかに狙われやすいのです。特に、庭に面した掃き出し窓や、足場のある2階の窓、そして「まさかここからは入らないだろう」と油断しがちな浴室やトイレの小窓もターゲットになります。
※参照：警視庁 住まいる防犯110番「手口で見る侵入犯罪の脅威」
手口の主流は「ガラス破り」
「鍵のかけ忘れ（無締り）」も多いですが、防犯リフォームで対策すべきは「ガラス破り」です。
バールでガラスを叩き割る荒っぽい手口から、ドライバーで音もなく一部を割り、そこから手を入れて鍵を開ける「こじ破り」、バーナーで熱する「焼き破り」など、手口は多様です。
つまり、「普通のガラス窓」は、泥棒にとって壁ではなく、ただの「通り道」でしかないというのが厳しい現実です。
「5分」を稼ぐ防犯リフォームの鉄則
防犯リフォームを行う上で、最も重要な指標となるのが「時間」です。
泥棒は「人目につくこと」を極端に嫌います。
侵入に5分かかれば約7割が諦める
都市防犯研究センターの資料によると、侵入に「5分」かかると約7割の泥棒が諦め、「10分」かかるとほとんどの泥棒が諦めるというデータがあります。
逆に言えば、一般的な単板ガラス（一枚ガラス）は数秒～数十秒で割られてしまうため、瞬く間に侵入を許してしまいます。
防犯リフォームのゴールは、窓を「絶対に割れない鉄壁」にすることではありません。「割るのに時間がかかりそう」「面倒くさそうだ」と思わせ、侵入を断念させることにあります。
大規模リフォームで「断熱」×「防犯」を同時に行うべき3つの理由
私たちは一軒家の大規模リフォーム専門店として、断熱改修と防犯対策をセットで行うことを強く推奨しています。それには明確な理由があります。
① 窓は「熱」と「泥棒」の共通の出入り口
冬の寒さの約6割、夏の暑さの約7割は「窓」から出入りします。そして前述の通り、泥棒の約5割以上も「窓」から入ります。
窓を強化することは、「快適な室温」と「家族の安全」を同時に守る、最もコストパフォーマンスの高い投資なのです。
② 「補助金」を賢く活用できる
現在、国は省エネ化を推進するために「窓の断熱リフォーム」に対して大型の補助金（先進的窓リノベ事業など）を出しています。
実は、防犯性能が高い「防災安全合わせガラス」などは、断熱性能も高い製品が多く、断熱リフォームの補助金を活用しながら、実質的に防犯性能も手に入れることが可能です。これは単独で防犯リフォームをするよりも圧倒的にお得です。
③ 家全体の間取り変更で「死角」をなくせる
部分リフォームでは「窓ガラスの交換」しかできませんが、大規模リフォームなら「窓の配置そのもの」を変えられます。
例えば、道路から死角になりやすい位置の大きな窓をなくしたり、人が通れないサイズの「高窓（ハイサイドライト）」に変更して採光と防犯を両立させたりと、設計段階から「泥棒が嫌がる家」を作り上げることができます。
おすすめの窓防犯リフォーム手法4選
では、具体的にどのような窓リフォームが効果的なのでしょうか。断熱効果も兼ね備えたおすすめの手法をご紹介します。
1. 防犯合わせガラス（防災安全合わせガラス）への交換
【防犯★★★★★】【断熱★★★★】
2枚のガラスの間に、強靭な樹脂の中間膜を挟み込んだガラスです。ハンマーで叩いてもヒビが入るだけで、貫通させるには何度も叩き続ける必要があり、大きな音と時間がかかります。
ペアガラス（複層ガラス）仕様にすれば断熱性も高く、万が一の台風時の飛来物対策（防災）にもなる、最強の窓リフォームです。
2. 内窓（二重窓）の設置
【防犯★★★】【断熱★★★★★】
今ある窓の内側に、もう一つ窓を設置する方法です。
泥棒から見ると「窓を2回割らなければならない」ため、視覚的な抑止効果があります。また、内窓にも「防犯合わせガラス」を採用すれば、強度はさらに倍増します。断熱・防音効果はトップクラスです。
3. 電動シャッター・雨戸の設置
【防犯★★★★】【断熱★★★】
物理的に窓を覆うため、非常に高い防犯効果があります。
「毎日の開け閉めが面倒で、結局使っていない」という失敗を防ぐため、リフォーム時は「電動シャッター」が絶対におすすめです。窓を開けずに室内からボタン一つで操作できるため、毎日の防犯習慣が無理なく続きます。
4. 面格子（めんごうし）の設置
【防犯★★★★】【断熱－】
浴室やトイレ、キッチンなどの小窓には、面格子の設置が有効です。
昔ながらの縦格子は簡単に外されてしまうこともあるため、ビスが外から見えない「高強度面格子」や、視線を遮るルーバータイプを選びましょう。
窓以外にもトータルな防犯設計が必須
大規模リフォームであれば、窓以外のアプローチも可能です。
◎防犯砂利の敷設◎
家の裏手など、死角になる場所を踏むと大きな音がする砂利にします。
◎センサーライトの設置◎
人が近づくと点灯するライトを設置し、泥棒に「見られている」という意識を植え付けます。
◎見通しの良い外構◎
高すぎるブロック塀を撤去し、フェンスにすることで、道路からの視線を確保し、泥棒が隠れる場所をなくします。
まとめ
「防犯リフォーム」というと、物々しい家になってしまうのでは？と心配される方もいますが、今の防犯製品はデザイン性も高く、断熱性などの快適機能と一体化しています。
大規模リフォームは、家を新しくするだけでなく、ご家族の「不安を取り除く」絶好の機会です。
「寒さ対策で窓を変えたいけれど、どうせなら防犯も強化したい」「補助金を使ってお得に安心を手に入れたい」とお考えの方は、ぜひ一度私たちにご相談ください。
加古川市の地域性や周辺環境も考慮した上で、泥棒に狙わせない、そして一年中快適な「安心・安全な住まい」をご提案いたします。
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