📖 連載:古い戸建て、どうする?リノベか建て替えか、家族で決める10のステップ|第6回(全10回)
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- 第1回:リフォームとリノベ、何が違う?基本をやさしく整理
- 第2回:うちの家はリノベできる?まず確認したいこと
- 第3回:戸建てリノベでできること・できないことを整理する
- 第4回:建て替えを検討する基準を知る
- 第5回:耐震と断熱、どう考えればいい?
- 第6回:リノベと建て替え、総額でどちらが現実的か
- 第7回:家族で意見が割れたときの整理術
- 第8回:仮住まいと工期の不安を先回りで解消する
- 第9回:誰に相談すればいい?進め方と会社選びの基本
- 第10回:リノベか建て替えか、最後に決めるための優先順位
「費用面でどのくらい違うの?」と迷う方へ。築古戸建てのリノベーションと建て替えを、解体費・仮住まい費・工事費まで含めた「総額の費用」と「これからの暮らし方」をセットで考えることで見えてきます。

「リノベと建て替え、どちらが安いのか調べれば調べるほどわからなくなってきた」
こう感じている方はとても多いです。インターネットで検索すると「リノベは建て替えより安い」という情報もあれば、「フルリノベは建て替えと変わらない」という情報も出てきます。どちらが本当なのか、自分たちのケースではどう考えればいいのか、判断がつかないまま時間だけが過ぎてしまいます。
この記事では、リノベーションと建て替えの費用を正しく比べるために、何を「総額」として見るべきかを整理します。本体価格だけで比較してしまうと、後から大きなギャップが生まれやすくなります。最後まで読めば、あなたのご家族にとって最適な選択肢が自信を持って選べるようになります。
※前回の記事はこちら
目次
費用の比較は「本体価格」だけではなく「総額」で見る

結論から言うと、リノベーションと建て替えの費用を比べるときは、工事費だけでなく解体費・仮住まい費・諸費用まで含めた総額で比較することが大切です。
リノベーションの見積もりには工事費が中心に並びますが、それ以外にも費用が発生します。建て替えも同様で、建物本体の費用以外に解体費や外構費がかかります。どちらも「本体価格だけで比べると安く見えたのに、最終的に想定より高くなった」というケースが起きやすく、最初から総額の視点を持つことが後悔を防ぐポイントになります。

リノベーションにかかる費用の全体像
リノベーションの費用は、工事の範囲と建物の状態によって大きく変わります。部分的なリフォームと、フルリノベーションでは費用の規模が全く異なります。
工事費の目安と内訳
フルリノベーションとは、内装・設備・間取りをまとめて見直す大規模な工事です。戸建てのフルリノベーションでは、建物の規模や状態によりますが、工事費だけで相応の金額になることがあります。これに加えて、以下の費用が発生します。
具体例①:追加工事費用の発生
リノベーション工事を始めると、壁を開けてみて初めてわかる傷みや、配管の老朽化など、当初の見積もりに含まれていなかった補修が必要になることがあります。こうした追加工事は予備費として最初から見込んでおくことが大切です。工事費の1割程度を追加費用として確保しておくと安心です。
具体例②:仮住まい費用
フルリノベーションでは工事中に家に住めない期間が発生します。工事期間が3〜6ヶ月程度になることも多く、その間の家賃・光熱費・引越し費用が別途かかります。仮住まいの期間と費用を事前に見積もりに含めて考えることが、総額比較では欠かせません。
具体例③:設計・監理費用
リノベーション会社によっては、設計費や工事監理費が別途かかることがあります。見積もりをもらう際に、設計費がどのように扱われているかを確認しておくことをおすすめします。「工事費は安いが設計費が高い」というケースもあるため、すべて含めた金額で比べることが重要です。
建て替えにかかる費用の全体像
建て替えは、今の建物を解体して新しい家を建てる工事です。本体の建築費以外に、いくつかの費用が加わります。
見落としやすい費用を知っておく
具体例①:解体費用
今の建物を取り壊す解体費用は、建物の構造や広さによって異なります。木造の戸建てでは解体費が発生し、これは建て替えにかかるコストの一部ですが、最初の見積もりに含まれていないことがあります。建て替えの費用を検討する際は、解体費を最初から含めて考えることが大切です。
具体例②:外構・造園費用
建て替えでは建物本体の工事が終わった後、庭や駐車場、フェンスなどの外構工事が別途必要になることがあります。外構費は建物の規模や希望する内容によって変わりますが、建て替えの総額に含めておかないと、後から「こんなに費用がかかるとは思っていなかった」という事態になりやすいです。
具体例③:仮住まい費用と工期
建て替えでは解体から完成まで時間がかかるため、リノベーションより仮住まいの期間が長くなる傾向があります。仮住まい費用が増える分、総額は膨らみます。建て替えを検討する際は、工期の長さと仮住まい費用をあわせて見積もることが大切です。
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総額で比べると差が縮まることがある

リノベーションは「建て替えより安い」と言われることがありますが、条件によっては総額が近づくケースもあります。
リノベ費用が建て替えに近づくケース
具体例①:追加工事が重なってフルリノベの費用が膨らんだ場合
老朽化が進んだ家でフルリノベーションを行うと、追加工事が重なって当初の見積もりより大きく費用が増えることがあります。設備の交換・配管の更新・耐震補強・断熱改修をすべて行うと、建て替えとのコスト差が縮まるケースがあります。
具体例②:建て替えで補助金・減税が使える場合
新築で建て替える場合、省エネ性能の高い家を建てると補助金や住宅ローン減税が使えることがあります。制度の内容や条件は年度によって変わりますが、こうした制度を活用すると建て替えの実質的な負担が下がり、リノベとの差が小さくなることがあります。
具体例③:リノベ後に数年で再び大きな工事が必要になる場合
築年数が非常に古い家をリノベーションしても、10〜20年後にまた大きな工事が必要になる可能性があります。今回の工事費に将来の工事費を加えると、建て替えを選んだ方が長期的には費用を抑えられるケースがあります。
費用だけでなく「何年住むか」も判断軸にする
費用の比較とあわせて考えたいのが、「この家にあと何年住むか」という視点です。
具体例①:子どもが独立するまでの10〜15年なら費用を抑えたい
子どもが巣立つまでの期間を見据えているなら、費用を抑えやすいリノベーションが合う可能性があります。暮らしの優先順位が変わる前提で、必要な部分だけを直す計画も選択肢になります。
具体例②:30〜40年と長く住む前提なら性能を重視したい
長く住み続けるつもりであれば、耐震・断熱などの性能を高めることへの投資が合理的になります。建て替えで最新の性能の家にする選択が、長い目で見てコストを抑えることにつながることがあります。
具体例③:将来売却や賃貸を考えているなら資産価値も検討する
将来的に家を売ったり貸したりする可能性があるなら、資産価値への影響も判断材料になります。新築への建て替えは資産価値が高まりやすい一方、リノベーションでも適切に工事をすれば価値を維持しやすくなります。
まとめ:総額と住む年数の両方で判断する

この記事でお伝えしたことを振り返ります。
- ●費用の比較は工事費だけでなく、解体費・仮住まい費・諸費用まで含めた総額で行う
- ●リノベは必ずしも安いわけではなく、建物の状態によっては建て替えとの差が縮まることがある
- ●費用だけでなく「この家に何年住むか」という視点もあわせて判断する
見積もりをもらう際は、「総額でいくらか」「追加工事が発生する可能性があるか」を必ず確認しましょう。複数の会社から見積もりを取り、同じ条件で比べることが正確な判断につながります。
次回は「家族で意見が割れたときの整理術」についてお伝えします。費用の話し合いと並んで、多くの家族がぶつかる壁です。ぜひ続けて読んでみてください。
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